最近、子どもたちのAI活用について、こんな不安の声を耳にします。
「AIを使うことで、自分で考える機会が減ってしまうのでは?」
「基礎的な計算力や読解力が身につかなくなるのではないか」
「AIに頼ることで、問題解決力が育ちにくくなるのでは」
これらの懸念は、教育に携わる者として、とても大切な指摘だと感じています。
こんにちは。よりそい学び塾を運営している本間です。
私は13年間カーメーカーでエンジニアとして働き、その後、子どもたちの教育に携わる道を選びました。エンジニア時代は次世代の設計支援ツールの導入に関わり、テクノロジーと人間の関係について深く考える機会を得ました。
今日は、そんな経験を活かしながら、「子どもたちにとって本当に意味のあるAI活用とは何か」についてお話ししたいと思います。
AIと宿題の関係を整理しよう
実はAIの活用法には、大きく分けて2つのパターンがあります。
1つは「答えのある問題」での活用。
もう1つは「答えのない問題」での活用です。
この2つは、まったく異なる性質を持っています。順番に見ていきましょう。
「答えのある問題」でのAI活用を考える
数学の計算問題や英語の文法問題など、「正解が決まっている問題」。
単にAIに答えを求めるのは、実はとてももったいないことです。それは、まるで電卓を使って計算力が衰えてしまうようなもの。
私の子どもとの会話を例に説明させてください。
息子:「ねぇパパ、この数学の問題、AIに解いてもらっていい?」
私:「その前に、どうしてその公式を使うと思う?」
息子:「えっと…」
私:「なるほど、そこが分からないんだね。じゃあ、AIにヒントをもらってみない?」
このように、AIを「考えるためのパートナー」として活用することで、理解が深まっていきます。
「答えのない問題」こそAIの出番
一方で、「これが正解!」とは言えない問題。
ここでこそ、AIは強力な味方になります。
例えば、「地域の課題を解決するアイデアを考える」という探究学習。このような場面でAIをこんな風に活用できるかもしれません。
生徒:「お年寄りの買い物が不便そうだな…」
先生:「その課題について、AIに他の地域ではどんな工夫をしているか聞いてみたら?」
生徒:「へぇ、移動販売車を使っている地域があるんだ!」
先生:「面白いね。私たちの地域に合わせて、どんなアイデアを加えられそう?」
生徒:「オンラインで事前に注文できるようにすれば、もっと便利かも…」
このように、AIとの対話を通じて新しいアイデアが生まれ、それを基に自分たちで考えを発展させていく。これこそが、これからの時代に必要な学びの形です。
では、具体的にどう活用する?
答えのある問題では
- まず自分で考える時間を持つ
- 分からないところは「ヒント」を求める
- AIの説明を読んで「なるほど!」と理解する
- 理解したことを自分の言葉で説明してみる
答えのない問題では
- 自分のアイデアを整理する道具として使う
- 新しい視点のヒントをもらう
- 「もっと詳しく」と掘り下げていく
- AIの提案を基に、自分なりのアイデアを発展させる
これからの学びに向けて
AIは、使い方次第で子どもたちの可能性を大きく広げてくれます。
大切なのは、「楽をする道具」としてではなく、「より深く考えるためのパートナー」として活用すること。
エンジニア時代の経験から言えることですが、テクノロジーは私たちの「考える力」を奪うものではありません。むしろ、新しい発想や深い理解を助けてくれる強力な味方になります。
ぜひご家庭でも、お子さんと一緒に「AIとの付き合い方」について話し合ってみてください。その対話自体が、素晴らしい学びの機会になるはずです。
*本記事は、AIサポートを受けつつ、テーマと方向性、最終判断は私自身で行い作成したものです。
著者プロフィール
本間健太|イノベーティブエデュケーター&AIクリエーター
元カーメーカーエンジニア。13年間の電気電子系システム&ハードウェア開発経験を活かし、現在は「よりそい学び塾」を運営。探究型学びとAI活用教育を実践している。2児の父。